モバイルバッテリーの車内放置は危険です!

無人の乗用車から出火!

当消防本部管内で,エンジンが停止した状態で駐車されていた無人の乗用車から出火し,運転席側ダッシュボード付近を焼損する火災が発生しました。

出火原因は・・・
ソーラーパネル式モバイルバッテリーを太陽光で充電したまま,乗用車のダッシュボード上に置き忘れ,エンジン停止,駐車後約2時間が経過し,車内温度の上昇により,熱の影響からモバイルバッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池の構成部品が変形しショートが発生して電解液に着火,モバイルバッテリーから炎が上がり内装部品に着火したものでした。

モバイルバッテリーの車内放置の危険性
モバイルバッテリー等のリチウムイオン電池を使用している製品の取扱説明書には,適切な使用温度の範囲,及び高温環境下で使用しない旨の注意書き,発火の危険性についての警告が記載されており,多くの製品では,最高許容周囲温度は45℃程度とされています。

高温環境下での保管や使用,または,そのような環境下に置かれたモバイルバッテリーを繰り返し使用した場合は,熱の影響からバッテリー内部で異常な反応が起きて破裂,発火するおそれがあります。

また,今回の火災事例のようにソーラーパネル式の製品は,ダッシュボード上への置き忘れが起こりやすく,充電中は通常時でも熱が発生することから短時間で発火する恐れがあり,大変危険です。

【外部リンク】
 nite(独立行政法人製品評価技術基盤機構)
 ホームページ
下記URLをクリックすると,高温化に放置されたモバイルバッテリーが発火する様子が確認できます。

    https://youtu.be/8FjQs6e8omU

炎天下の車内は危険!ダッシュボード上は夏場以外でも・・・
今回の火災が発生したのは4月中旬,天候は晴れ,外気温は17℃でした。
消防署員が外気温19度の晴天時に検証したところ,2時間で乗用車の車内温度は55℃,ダッシュボード上では79.2℃に達し,夏場以外でもダッシュボード上は非常に高温環境下となることが確認されました。
モバイルバッテリーをはじめとするリチウムイオンを使用した製品の車内放置は絶対にしないよう注意しましょう。

リチウムイオン電池に関する注意事項

リチウムイオン電池は,モバイルバッテリーの他,スマートフォンや携帯ゲーム機などの充電式の製品に多く使用されており,小型,軽量でエネルギー効率が高いことから必要不可欠なものとなっています。その反面,リチウムイオン電池の発火事故は,全国的に近年頻繁に発生しており,異常が発生した場合は発火,破裂など激しい反応が生じるため,注意が必要です。

リチウムイオン電池に関する注意事項については,こちらの記事もご確認ください。
リチウムイオン電池の火災に注意/