火災発見時の対応
煙の特性と危険性
- 煙の広がる速さは水平方向で0.5~1m毎秒,垂直方向では3~5m毎秒,垂直方向の移動は人より速い。
- 煙には一酸化炭素をはじめとした有毒ガスが多数含まれており,濃い煙を吸い込めば意識を失い、命に危険がおよぶ場合も。
- 煙は高温の気体,吸い込めば気管や肺がやけどをして呼吸困難を招く。
- 火災の進展に伴い火元から遠ざかった煙は冷やされ下降,白っぽい煙は黒色に変化,厚みも増加し,人の視界を一気に奪う。
住宅火災からの避難
備え
- 日頃から火災発生時の避難方法を家族で検討する。
- 特に,窓やベランダからの避難方法を検討し,準備する。(ロープ,梯子等)
- 高齢者等の自力避難が難しい方は1階に居住する。
- 火災を早く知るために,住宅用火災警報器を設置する。
避難方法
- 服装や持ち物にこだわらない。
- 階段に煙がなければ,直ちに階段で地上下階に避難する。
- 階段が煙で使用できない場合,階段に通ずる扉は閉め,窓やベランダ等外気が触れる場所へ移動。
- 事前に準備したロープ,梯子等で避難する。
- 事前準備が無く,危険が差し迫った場合は次の方法で避難する。
①窓,ベランダから屋根伝いに燃えていない棟や隣家を経由して避難する。
②カーテン,シーツをつなぎ合わせてロープの代用にする。
③雨どい(縦どい)や植木を伝って避難する。
④2階の場合,窓,ベランダ,軒にぶら下がり,落差をできるだけ小さくして飛び降りる。(布団を地上に落とし,クッション代わりにする。)
宿泊施設,大型店舗,雑居ビル等の火災からの避難
備え
- 建物外観を見て,大まかな作りや周辺環境を把握する。
- 建物内を移動する際は,自身が居る階や位置をイメージする。
- 誘導灯や誘導標識に注意を払い,避難階段の位置や非常口の位置を把握する。
- 宿泊施設の場合,避難経路(2方向),窓から避難ができるか否か,備え付けの懐中電灯が使えるか等を確認する。
避難方法
- 従業員の誘導があれば指示に従う。
- 従業員の誘導がなければ誘導灯・誘導標識を頼りに避難する。
- タオル,ハンカチ等を口と鼻にあてて煙を吸わないようにする。
- エレベーターは使用しない。
- 走ると煙が拡散するので走らない。
- 煙があるときは,低い姿勢で避難。
- 階段室の扉は開けっ放しにしない。
- 排煙設備を活用し,空調は停止する。
着衣着火時の対応
「ストップ、ドロップ アンド ロール」(止まり,倒れて転がる)で消火する。
避難後の対応
- 避難後は絶対に戻らない。
- 屋外にて可能な範囲で救助や消火を支援する。
避難の原則「お・か・し・も」